2016年6月16日木曜日

『ノースサウス』をなろうにて公開します

 先に予告しておりました『ノースサウス あるいは恋に変わる肉の内なる刀の力』を明日6時から「小説家になろう」にて公開します。
http://ncode.syosetu.com/n1056dj/

 本作は昨年の夏に同人誌で出した『菊と力』のバージョンちがいになります。
 過去の記事にあるバージョン3がこれに当たります(バージョン2は出来があまりよくないのでお蔵入りです)。
 2010年の初夏に半分書いて没になり、残りの半分を2011年、『後宮楽園球場』と『アクマノツマ』の間に書きました。
 今回、7月22日に発売される新作『メロディ・リリック・アイドル・マジック』と舞台がいっしょということで、こうして公開することに決めました。
 あらすじは以下のような感じです。

中学生が刀を持って殺し合う世―― 
井遠憂樹(いとお・ゆうき)はパトロール中に敵対する中学校の櫟潟蛟希(くぬぎがた・みずき)と出会う。
 彼女の剣で斬殺される憂樹。
しかしなぜか彼はよみがえり、そして恋に落ちた。
 蛟希もまた憂樹を「運命の人」と意識しはじめる。
 敵味方に分かれたふたりの恋がやがて最終戦争を引き起こし、この世界の秘密を明らかにする。

 いま読みかえしてみると、主人公とヒロインの視点から語ることや、ヒロインの造形など、のちの『ヴァンパイア・サマータイム』に通じるところがあるように感じました。
 そういった点も含めて楽しんでいただければと思います。

 明朝6時から毎日更新します。
 明日は登場人物紹介と最初の2話を公開します。
 どうぞよろしくお願いいたします。

2016年6月12日日曜日

北海道コミティアのおしらせ

 来る6月19日(日)、ホテルさっぽろ芸文館にて開催されます北海道コミティア4にエビ桃さんがサークル参加されます。
 配置はF-17、サークル名は「もちほっぺ堂」です。
 ぜひ足をお運びください。
 よろしくお願いいたします。

北海道コミティアHP
http://elysian.dojin.com/h-comitia/index.html

エビ桃さんのtumblr
http://ebimomo.tumblr.com/

2016年6月10日金曜日

夏コミ当選しました

 夏コミ当選しました。
 配置は3日目(8月14日 日曜日) 東地区“パ”ブロック-03b です。

 短編集『トラフィック・キングダム』を持っていきます。
 収録作は「がんばれドッグミート」「トラフィック・キングダム」「先生とそのお布団」です。
 250ページくらいになるのではないかと思います。
 電子書籍版も作る予定ですが、「がんばれドッグミート」は二次創作ですので、Amazonで配信されるものからは除外します。

 当日みなさんにお会いできることを楽しみにしております。


2016年6月9日木曜日

新作が発売されます

 新作が発売されます。

『メロディ・リリック・アイドル・マジック』 ダッシュエックス文庫 7月22日発売

 内容は以下のような感じです。


 アイドルグループ・LEDは「国民的アイドル」と称され、飛ぶ鳥を落とす勢い。
 東京都沖津区では、それに叛旗を翻した女子高生アイドルグループたちが誰の力も借りずにアイドル活動を行っていた。
 沖津区の都立高校に入学した吉貞摩真(よしさだ・なずま)は父の海外赴任のために学生寮で暮らすことになったが、そこはアイドルだらけの学生寮だった。
 当初はアイドルに何の興味もなかった摩真だったが、同じ寮に住む尾張下火(おわり・あこ)や学校一の美少女・飽浦グンダリアーシャ明奈(あくら・ぐんだりあーしゃ・はるな)と出会い、やがて彼女たちが結成したアイドルグループに関わっていくこととなる――


 本作は2014年7月から11月にかけて書きました。
 企画としては前年の3月くらいから動きはじめていたのですが、結局ボツになってしまい、その後、数々のレーベルをさまよい歩きました。
 どうも「アイドル物」というのがネックになったみたいです。
 最終的に「これはアイドル物ではなく学生寮物だ!」といいはって、ダッシュエックス文庫さんで出してもらえることになりました。

 本作の原型はデビュー当時からあり、「トラフィック・キングダム」のプロトタイプと併せて担当さんに見せたことがあります。
 そのときにはもうひとつ、オンラインゲームの話も持っていきました。
 受賞作そっちのけで別のプロット3本について熱く語る新人――大物なのか狂人なのか……。

 それはともかく、長い時間がかかって、内容的にも二転三転しましたが、最後には企画開始当初の、一番やりたかった形のものができあがったので、満足しています(大物ぶり)。

 ここにタイトルロゴ等が入っていない仮の書影が出ていますが、
http://www.amazon.co.jp//dp/4086311283
 右側にいる子がメインヒロインの尾張下火ちゃんです。
 今回、『ヴァンパイア・サマータイム』のように女の子視点も取り入れていますので、個人的にはヒロイン兼第二の主人公といった認識でおります。
 下火ちゃんはおとなしくていじらしい女の子にしようと思っていたのですが、気がつけばレイチを凶悪にしたようなヤカラになってしまいました。
 でも本当はいい子なんですよ……。

 左側にいる子が飽浦グンダリアーシャ明奈・通称アーシャです。
 お母さんがインド的な国から来ています。
 みんなに愛されるような女の子にしようと思って書きました。
 ある意味では真のメインヒロインと呼べるかもしれません。

 沖津区というのは『四人制姉妹百合物帳』や「先生とそのお布団」でも登場しましたが、東京都の某区をモデルにした架空の街です。
 これまでの作品では舞台設定を割とふんわりした感じで行っていたのですが、今回はどのシーンも実在の街のここで起こった出来事だとみなさんをガイドしてまわれるような造りになっています(狂人ぶり)。

 デビュー以来、私のやり方はスコシフシギな世界の中でむりやり地に足を着けていくというものだったように思うのですが、本作ではその「地」の部分から積みあげていってフィクションの世界に手を伸ばすという形になっています。

 本作は私がこれまで書いてきたものの集大成であり、新たなスタート地点であると考えています。

 どうぞご期待ください。


 イラストを描いてくださるのはPOOさんです。
https://twitter.com/_poo_illust
http://poo-dkg.tumblr.com/

 過去の作品に、久美沙織『白雪姫と黒の女王』、同『眠り姫と13番めの魔女』、木村由利子『新訳雪の女王』(いずれも角川つばさ文庫)のイラストがあります。
 ライトノベルのイラストははじめてだそうですが、カバーイラストを見ていただければおわかりのように、すごくいい感じです。

 今回は執筆段階からイラストのイメージが頭の中にあって、それに合うイラストレーターさんをこちらから担当さんに提案しました。

 POOさんのイラストはポップで、色がきれいで、ディテールのひとつひとつにリアリティがあって、本作にぴったりだと思います。

 イラストの方も楽しみにしていてください。


 本作の発売に合わせて、小説家になろうの方で長編の連載を行います。
『菊と力』の別バージョンで『ノースサウス』という作品です。
 沖津区という街の初出がこの作品になります。
 また下火やアーシャやナズマももともとはこちらの登場人物です。
 そもそもアーシャとナズマは『菊と力』の登場人物でした。
 アーシャが更子で、カズサがナズマです。
 いまとなってみれば、刀で殺し合っているよりアイドルを追いかけている方が彼らには合っているように思います。
 
 連載の最終回を発売日に合わせる予定でおります。
 ですので、最終回を読みおわったあとで本屋さんに走るなり「こんなことしてる場合じゃない」と気づいて勉学に励むなりしていただきたいと思います。

 連載は今月中にはじめます。
 ブログやツイッターで告知いたしますのでチェックしていてください。
 よろしくお願いいたします。

2016年6月1日水曜日

短編「トラフィック・キングダム」を「小説家になろう」にて公開します

 明日6月2日午前6時から公開します。
 毎日更新、全6話です。

 http://ncode.syosetu.com/n3182di/

 今回なろうでの公開に決めたわけは、カクヨムとどちらが使いやすいか試してみたかったためです。
 次にすこし長いものを公開する予定ですので、使いやすい方を発表の場として選びたいと思っています。

「トラフィック・キングダム」は4月の頭から5月の末にかけて書きました。
 なろうの方に投稿したあらすじは以下のようなものです。

――――――

 道路が車の群れに占拠されてしまった近未来。
 人々はパケットと呼ばれる乗り物で移動することを余儀なくされていた。

 中学生の桐原奈琉(きりはらなる)は夜ごとに仲間たちとパケットに乗って走りまわっていた。
 そこで同じ中学校の堀河多華美(ほりかわたかみ)と出会う。

 次第に仲良くなっていくふたり。
 やがて多華美は奈琉にある秘密を打ちあける――

――――――
 
 近未来が舞台なのでSFっぽい感じですが、ジャンルは「ヒューマンドラマ」で登録しておきました。

 本作のアイデアは割と古くから頭の中にありました。
 新人賞をもらって最初の打ち合わせで「『ネルリ』はともかく、次こういうの書きたいんですけど」といって担当さんにプロットを見せたおぼえがあります。
 そのときの担当さんの心中は察するに余りあります。
 当時は「よし、やる気があるところをアピールできたぞ」と思っていたのですが、いま考えると本当にクソみたいな新人ですね。

 今回は女子中学生が主人公ということで、その心内語を表現するためグッチャグチャな文章にしてみました。
 堂々と悪文を書くことができて楽しかったです。
 前回の「先生とそのお布団」で「大体やね~、創作ちゅうのはね~」と偉そうなことを書いた直後にこれを発表する度胸を褒めていただきたいと思います。

 本作は夏に出す予定の同人誌に収録されます。
 そちらでは佐藤おどりさんにイラストを描いていただけることになりました。
 http://supernormal.jp/

 佐藤さんは書籍の装画などで活躍されている方です。
 近作に、ドラマ『表参道高校合唱部!』のノベライズの表紙イラストがあります。
 佐藤さんのイラストはディテールがリアルであるにもかかわらず、どこか異世界感があります。
 見ていると、いまいる世界によく似たどこかに迷いこんでしまったような気がして、心がざわつきます。
 不思議な魅力のある絵を描かれる方だと思います。
 今回は、いつも佐藤さんの描かれているアンニュイな表情の女の子より偏差値が30くらい低そうな女の子たちを描いていただくことになっていますので、どうなるのか楽しみです。

 明日からの更新をどうぞお楽しみに。